住民発議による住民投票 & 無条件ベーシックインカム

CHダグラス『社会信用論』翻訳者・上岡みおが世界の賢人に学んだことをつづるブログ

カウフマン氏考案!政治参加するための指南書「グローバル・パスポート」の翻訳と解説 2

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 画像引用:Global Passport to Modern Direct Democracy | International IDEA


■ タイトルの日本語訳(上岡みお版)


『 アクティブ・シチズンシップと参加型デモクラシー ダイレクト・デモクラシーへのグローバル・パスポート』

原題は

Your Guide to Active Citizenship and Participatory Democracy Global Passport to Modern Direct Democracy

です。

カタカナ語を並べただけに見えるかもしれませんが、カウフマンさんのインタビュー動画を視聴し、ご本人から直接うかがったことを思い出しつつ、指南書の中身を熟読したうえで、悩みに悩んでたどりついた訳語です。

 

■ アクティブ・シチズンシップとは 

オンライン辞書の英辞郎で調べると、Citizenship には市民権という意味があり、
Active Citizenship には「積極的社会参加」という訳語があてられています。

カウフマンさんご自身は、とあるインタビューにて

We are really focusing on here in this Hackathon is about acitive citizenship and how can active citizens really make a difference.
アクティブ・シチズンシップに焦点を合わせています。変化を起こすのは積極的な市民です。

とおっしゃっています。

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 画像引用元:https://www.youtube.com/watch?v=-raVH8gt4-M



カウフマンさんが、政治に無関心な人たちの政治参加をうながしていきたいという思いから指南書を書き始めたことを考えあわせると、

アクティブ・シチズンシップは、字義通りの訳となる「積極的な市民権」というよりは、積極的に政治参加していこうとするマインドこそが強調されるべき点であるはずです。

「積極的に政治参加・社会参加していこうとする精神」と訳してもよいかもしれませんが、政治参加することは世界人権宣言で認められている人類共通の「権利」でもあるため、色々な意味を包括する言葉として「アクティブ・シチズンシップ」というカタカナ語をあてることにしました。

「スポーツマンシップ」のような感じで、広く使われるようになってほしい言葉です。


■ ダイレクト・デモクラシーとは

ダイレクト・デモクラシーは、直訳すれば直接民主主義ですが、

観念的な「イデオロギー」
政治に直接参加しようとする「マインド」
実践的な「システム」

を包括的に意味する大きな言葉です。

直接民主主義、直接民主主義精神、直接民主制度の3つをまとめて表現できる日本語が存在しないため、

「ダイレクト・デモクラシー」

というカタカナ語をあてることにしました。


■ 現タイトルにあるModernの意味

原タイトルは Modern Direct Democracy です。

「Modern」は、本文中にも説明されているとおり、伝統的な集会型民主主義との混乱を避けるために用いられている言葉です。

「集会型民主主義は、自治会の会合といったレベルにおいては 現在も有効ですが、投票に匿名性がないという点においては 前時代的です。」

「ダイレクト・デモクラシーの最重要事項のひとつは匿名投票であることだからです。」

(指南書の本文より)

 
「ダイレクト・デモクラシー」という言葉そのものが日本には定着しておらず、「前時代的な」ダイレクト・デモクラシーと区別する必要がないと思われることから、「現代の」という形容詞は、ここでは省略することにしました。

 

アクティブ・シチズンシップと参加型デモクラシー

ダイレクト・デモクラシーへのグローバル・パスポート



ヨーロッパの民主主義を前進させ続けている良書。
必読です。