住民発議による住民投票 & 無条件ベーシックインカム

CHダグラス『社会信用論』翻訳者・上岡みおが世界の賢人に学んだことをつづるブログ

カウフマン氏考案!政治参加するための指南書「グローバル・パスポート」の翻訳と解説 1

 

f:id:kamio-kamio:20181016012248j:plain

画像引用元(ご本人承諾済):https://www.facebook.com/bruno.kaufmann


■ カウフマン氏が考案した政治参加するための指南書


カウフマンさんが手にしているのが、ご自身が考案なさった直接民主主義の指南書
”Global Passport to Modern Direct Democracy"です。

この指南書は、奥様の母国スウェーデン・ファールン市に移り住まれたカウフマンさんが、スウェーデン人の民主主義マインド、政治に参加しようとする意識の低さに驚いたことがきっかけとなって考えだされたものです。

書かれた当初は「ファールン市民向け」だった指南書は、やがてスウェーデン全土へ広がり、ヨーロッパの国々で読まれるようになったときには「ヨーロッパ市民向け」となり、ついには”Global Passport to Modern Direct Democracy" という「世界市民向け」の指南書に生まれ変わりました。

■ 欠陥だらけの日本の住民投票制度

日本にも「住民発議による住民投票制度」はあるものの、スイスや台湾に比較すると不完全なものにとどまっています。

スイスや台湾が「民意を反映できる」システムを採用しているのに対し、日本は「民意をつぶせる」システムを採用しているといっても過言ではありません。

2018年、辺野古県民投票を実施できるだけの署名が集まった沖縄で、市議会が県民投票に反対意見書を可決したことや、制度上、予算否決なら投票できない仕組みになっていることからも、それは明らかです。

ryukyushimpo.jp



■ 訳語がない、統一されていない、という困難

日本では、住民投票制度が欠陥だらけであるために、スイスが取り入れている仕組みに相対する法律用語や行政用語が存在しません。

確定した訳語もありません。

そのことは、指南書の発行母体であるIDEAで紹介されている日本語訳や、

衆議院憲法調査会が公開している「衆憲資第59号 国民投票制度 基礎的資料」
や、

swissinfo (注1)の「直接民主制へ向かう」に掲載されている記事などと比較してみても明らかです。


注1:swissinfo:スイス公共放送協会が10ヶ国語配信しているメットメデイア。カウフマンさんはswissinfo特別顧問として、自ら取材に当たってもおられます。


■ 制度理解のために必要なこと

このブログを開設した目的のひとつは、ヨーロッパの民主主義を前進させた良書
”Global Passport to Modern Direct Democracy" の日本語訳を紹介することです。

直接民主主義という、日本人には馴染みのない制度について知ってもらおうとするとき、訳語が統一されていないというのは、とても厄介なことです。

そのため、日本人がダイレクト・デモクラシーの制度について知ろうとするならば、

・「原語」の意味を理解すること
・「訳語」が複数あり確定していないこと

をセットにして学ぶことが必要になってきます。

■ 重要キーワード&訳語解説


以上のことから、このブログでは、住民発議(権)という訳語についてのような訳語解説を、適宜加えてまいります。

それが、ヨーロッパの民主主義を前進させた指南書”Global Passport to Modern Direct Democracy" を理解する一助になることを願いながら。