住民発議による住民投票 & 無条件ベーシックインカム

CHダグラス『社会信用論』翻訳者・上岡みおが世界の賢人に学んだことをつづるブログ

住民投票から未来を作る!スイスと日本 ブルーノ・カウフマンさん④

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2019年4月21日、沖縄県那覇市で開催した講演会

「住民投票から未来を作る!スイスと日本」質疑応答から

ウフマンさんへの質問

Q 
台湾にスイス並の国民投票制度が導入されたそうですが、その経緯について教えてください。

A
台湾では、国民発議による国民投票を行う権利が憲法に明記されていましたが、それを実行する法律が存在していませんでした。

私が初めて台湾を訪れた2003年に、国民投票に関する法律制定が始まりました。

直接民主主義の理念はあっても、実行する手段がなかったのです。

そのときに導入された法律は、とても制限が多くて使いにくいものでした。

大きな組織や団体でなければ、使いこなせない制度でした。

国民投票に持ち込むには、有権者の10%の法定署名が必要でした。

投票率が50%を超えない場合には無効とされました。

国民発議案に反対する人は、投票をボイコットすればよいことになります。

2018年、有権者の2%の署名を集めれば国民投票に持ち込めるよう、制度改正が行われました。

投票率は、25%を超えればよいことになりました。

その結果、2018年には37件の署名活動が立ち上がり、そのうち、法定署名数を集めることができた10件が国民投票に持ち込まれました。

今年も活発な署名活動が行われています。今年も10件から15件の国民投票が実施される見込みです。

台湾で問題なのは、選挙の投票日と国民投票の投票日が同じ日に設定されているところです。

国レベルでの国民投票制度は整いましたが、地方自治体レベルでの住民投票制度が導入されていないのも問題です。

選挙日と投票日をわけること、地方自治体レベルの住民投票制度も導入することが台湾の、これからの課題です。

住民投票は、もっと身近な、日常的なところに存在するものであるべきです。

手の届かないところにある理想ではなく、当たり前すぎて、退屈と思えるようなものになってほしいと思います。