カウフマン氏考案!政治参加するための指南書 グローバル・パスポート(11ページ目)
上岡みおによる、グローバル・パスポートの翻訳(11ページ目)。
画像引用:Global Passport to Modern Direct Democracy | International IDEA
参加すべき政治階層を見極めよう
■ 国 政
国家は、国際政治に参加する主体であるとともに、地方公共団体(市町村及び都道府県)や州政府にとっては、政策の根拠となる存在でもあります。
公共資源を管理し、公共政策を策定し、政府間組織における決定権を有する国家は、支配的権力を有しているといえるでしょう。
独立国家の国民は、憲法、法律、政府規制に記されているダイレクト・デモクラシー制度を利用することができます。
今日では、約90%の国が、何らかのダイレクト・デモクラシー制度を国政に取り入れています。
■ 国際政治
国家より上位に位置づけられた個人が、国際政治に直接参加できる制度は、ほとんど整備されていないのが実情です。
国連やアフリカ連合のような組織への提言は、自国の代表者や非政府組織(NGO)を通じて行うことになるでしょう。
電子請願書などのオンラインシステムを駆使することで政策決定に影響力をもつNGOも活躍しています。
少数ではあるものの、オーフス条約のように、特定の問題については住民へ権限委譲し、住民参加を促そうとする国際協定も存在します。
国際的調査を実施して、世界中の人々の意見を収集している組織もあります。
例えば、国際連合は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」のうち優先させるべき事案は何かという意見調査「MyWorld2030」を、世界規模で実施しています。
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上岡みおによる補足:
ヨーロッパでは、環境問題の解決にあたって「情報公開」「市民参加」を重視するようになってきています。
オーフス条約は、この流れを象徴する条約といわれています。
オーフス条約とは
環境に関する決定への公衆参加等を定める条約。正式名称は「環境に関する情報の取得ならびに環境に関する決定過程への公衆参加および司法救済に関する条約UN/ECE Convention on Access to Information, Public Participation in Decision-making and Access to Justice in Environmental Matters」。1998年6月デンマークのオーフスで国連ヨーロッパ経済委員会(ECE)によって採択され、2001年10月に発効した。
ヨーロッパ諸国は、環境問題の解決にあたって情報公開と公衆参加を重視してきており、1990年にはヨーロッパ共同体(EC)によって環境情報取得の自由に関する指令が採択された。情報公開と参加は、1992年の環境と開発に関する国連会議で採択されたリオ宣言の原則10においても定められた。これらを受けてECEは、情報取得と公衆参加に関するソフィア・ガイドラインを1995年に採択した。その内容に基づいて作成されたのがこの条約である。
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