住民発議による住民投票 & 無条件ベーシックインカム

CHダグラス『社会信用論』翻訳者・上岡みおが世界の賢人に学んだことをつづるブログ

民主主義:10の大切な要素 ブルーノ・カウフマンさん

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9月15日の「民主主義の国際デー」に、ブルーノ・カウフマンさんがスイスインフォに寄稿した

International day of democracy / Ten key ingredients for a democratic society

 

という記事を紹介します。

民主主義の、10の大切な要素とは・・・!

 

10-テクノロジー

デジタル化は私たちの日常生活の一部となっていますが、民主主義の一部にはなっていません。

在外スイス人は、オンライン投票システムを使用して、投票または選挙で投票を行うことはできません。

政府は、現行システムは悪用される可能性があると主張しています。

しかし、バルト海沿岸のエストニアを見ると、システムを安全運用することが可能であることがわかります。

 


9 –ハードル

民主制度に、ハードルを課すのは、有用な場合もありますが、有権者のやる気をそぐようなものであってはなりません。


アスリートがフィニッシュラインを超えられないような障害物がある競技トラックを想像してみてください。

イタリアには、住民発議による住民投票は、投票率が50%を超えないと無効になるという「障害物」が設置されています。

 


8-社会基盤

すべての議会には、役人、事務所、文書があります。

このような社会基盤は、現代の参加型民主主義においては、すべての市民が利用できるようにする必要があります。

これには、政治教育、無料メディア、市役所へのアクセスも含まれます。

 


7-学習する能力

民主制度の「質」は、民主制度を改革できる方法や余地があるかどうかにかかっています。

(制度上の)間違いから学び、それを解決していける議員だけが、市民に貢献し続けることができるのです。

 


6 –リーダーシップの質

権力を手にした人の一部は、自分の立場と特権を守るために、持てる力を使うようになります。

チュニジアの労働組合は、2010/2011革命後の電力共有の取り決めに同意することにより、真のリーダーシップを示しました。

 


5 –幸せな敗者

投票と選挙は、勝者と敗者を生み出しますが、敗者となっても、投票による決定を受け入れられるかどうかが重要なポイントです。

民主主義は、投票に負けた人たちが、いかに「幸せ」でいられるかという問いへの答えを必要としています。

 


4 –自治体体制

自治体職員は、選出議員と市民の間に立って、良さそうな解決策に反対し、市民の利益にならない方法を主張します。

自治体職員は、民主的な自治体のあり方を学び、より民主的な体制を構築していかねばなりません。

 


3 –法の支配

裁判官や裁判所が政治家に操られている場合、言論の自由は危険にさらされます。

司法の独立性は、民主主義の基本的な理念です。

 


2 –参政権

旧西ドイツでは、冷戦時代の終わりに古いシステムが崩壊したとき、「我々は有権者である」というデモが行われました。

デモ参加者は、政治へ参加する権利を求めました。

30年が経ち、「我々は有権者である」という言葉は、東ドイツの右翼ナショナリストが支持を得るためのスローガンになっています。

彼らは、重要な事実は無視し、在独外国人の政治的権利を縮小したいと考えています。

(重要な事実とは)コミュニティは、若い世代を含むすべての人々が参加することで成り立っているということです。

 


1-対話

古代ギリシャの、力のある政治家だったペリクレスは、民主主義における対話の重要性を知っていました。何かを決定する前には、問題に関する議論が必要です。

民主制度がうまく機能するかどうかは、市民が議論に参加するかどうかにかかっています。

民主主義の「魂」は、対話なのです。

 

 

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